２　平家の里
			栄華を誇った平家は源平の戦いに敗れ、その落人達は源氏の厳しい追手から逃れて各地の山奥に身を隠して自給自足の生活を始めました。 　この秘境ともいうべき湯西川の地に落ちのびたのは「平忠実」の一族と言われ、湯西川の川すじに湯が湧き出ているのを見つけてそこで戦傷を癒やし、そのまま住み着き湯西川平家の祖となったと言われています。 　この「平家の里」は、彼らがこの地で８百余年もの間代々声を潜めて生活してきた古い家屋や生活の道具を展示しているもので、興味を持ったので撮影の合間に寄ってみました。
	「平家の里」の入口になっている「冠木門」です。 「冠木門」とは、2本の柱の上部に冠木（かぶき）を貫き渡した門を言います。 　門を入って左手にあるのが「太敷館」で、ここが受付になっています。 　入場料は大人５００円でした。 　昔からこの地に残っていたワラ屋根の古民家がここに移設されて展示館になっています。 　昔の集落の風情が、そのまま再現されているような眺めです。 この地では、今もなお端午の節句に鯉のぼりを揚げない、焚き火をしない、鶏を飼わないなど、追討から身を潜めるために守ってきた独特の風習が残っているそうです。 この雪深い中で彼らは厳しい冬をどうやって生活してきたのか、それを示す雪かきの道具や大きなカンジキなどの生活の道具のほか、この地に伝わる秘話・伝説や風習・芸能などの説明が館の中で展示されていたので、興味深く見てきました。 これだけの積雪があってもびくともしない頑丈な家の造り、先人の知恵が偲ばれる眺めでした。　なお、この「平家の里」の一番奥に、下関赤間神宮から分詞されたという「湯西川赤間神宮」があり、この里の守り神になっているとのことでした。